フロントフォークメインテナンス 平成11年3月4日
年末に怪我をしてしまったり、寒くなってしまったりでやりかけになっていたメインテナンスを再開。途中になっていたフォークとハンドル周りをメインテナンスした。
フロントフォークは面倒だ
CR250のフロントフォークはショウワの分離加圧式倒立フォークがついている。RMに付いている「ツインチャンバーフォーク」と同じ構造のもの。これはフォークのダンパーが内部でふたつに分かれていて、主に圧側をコントロールするものと伸び側をコントロールする部分がある。したがってフォークオイルも二箇所に入れる。普通の倒立フォークの場合オイルとダンパーバルブは一番下にあるんだけど、この分離加圧式フォークは二箇所にある。ちょうどリアサスと同じような構造になっている。分解はまずフォークトップの大きなねじを回してダンパーユニット全体をアウターチューブからはずす。これには専用の50mmの八角レンチが必要。このレンチが特殊工具で高いんです。なんと一万円。今はババナショックスから安くて使いやすいレンチが出ているので、こちらを使ったほうがいいです。
8角のレンチ
50mmのねじを回すと中からダンパー全体が出てきます。ひしてさらにダンパーユニットトップに32mmレンチをかけてトップキャップをはずします。そうすると圧側を担当するオリフィスバルブなどが取れる。とマニュアルには書いてあった。でもとれないの。内部シールの密着性が高くってぜんぜんとれない。力任せに引っ張ってとった。そしてフォークをひっくり返すとオイルが抜けます。結構汚れていた。
フォークオイルを交換するだけならオイルシールを交換する必要はない。オイル漏れや擦動傷をチェックしたけど問題ないので、オイルシールは交換せずダストシールにグリスアップして、小さな傷を磨いてOKにした。
さて、オイル交換だけど最近はフォークオイルはその量を測って入れるより油面の高さを測る方法が多く用いられる。このほうがオイル量を正確に測れるから。でもこの分離加圧式のフォークはその構造から油面の高さを測れないので、正確に容量を測って入れる方法をとります。もちろん正確にオイル量を決めるためフォーク内のオイルを完全に抜いておく必要があり、これが面倒。フォークオイルって柔らかいんだけど、でもさーっとは抜けないんだよね。マニュアルでは外気温に合わせて20分以上フォークをさかさまにしておいて完全に抜いてください、と書いてある。実際やってみてもだらだらちょろちょろとフォークからオイルが出てくるんだよね。
フォークオイルを抜いている間にステアリングステムのグリスを点検して、ハンドルも交換。今度はキドラウスキーレプリカのレンサルハンドルにしました。ところがキドラウスキーハンドルにしたらアチャルビスのラリーブッシュガードプロがつかなくなっちゃった。しかたがないので、DRから普通のラリーブッシュガードをはずして付けた。
さて、完全にフォークオイルが抜けたらまず圧側のサブチャンバ部分にオイルを入れます。ここには180ccのオイルを入れてオリフィスバルブを入れてからはみ出すオイルを抜く、という方法をとります。原始的な方法。ここでもまたマニュアルには「静かに入れます」と書いてあるオリフィスバルブがぜんぜん入らない。結局体重をかけてぎゅっと押し込むと入った。はみ出たオイルをまた20分かけて抜いた。
あとはフォーク本体部分に正確に測ったオイルをいれて元通りに組み立てます。今回はプロジェクトサイエンスのW5という5番相当のオイルを入れました。柔らかめにしたかったので、オイル量も15cc減らして360ccにした。
このフォーク。実際に作業してみてやっぱりこのフォーク面倒だね。今回はオイルシールを交換していないのでまだ楽なんだけど、それでも面倒。まっ、しかたがないね。
フォークを組み付けて外装を取り付け、2ヶ月ぶりに走れる状態になりました。外見は傷もあるけど中身はぴっかぴか。慣らしをしなきゃ。