CRE日記 平成10年 7月19日
ここのところ仕事が忙しくオートバイに乗る時間が取れなかった。梅雨で雨が多かったのもバイクが乗れない理由だった。水越は雨にぬれながら走ること自体はそれほど嫌いではないのです。でも雨の日はウェアが汚れるしいろいろと危険も増えるからね。
7月19日。朝起きてふっとCREに乗ろうと思う。翌日の20日には小栗さんと走りに行こうかという話もしていたが、天気予報では20、21日は雨ということで、きょう走らないとまた来週までバイクに乗れないかも知れないと思う。CREにはもう1ヶ月以上乗っていない。今週乗れないと次は8月まで乗れないかもしれないし。
混合ガソリンを作ってタンクを満タンに。朝9時出発。まず小泉から入鹿池へと向かう東海自然歩道の林道を目指す。きょう一日は天気がもつということだったのに、いきなり雨。しかも結構強い降りで早くも濡れてしまう。東海自然歩道に入るころには雨はほとんどやんでしまった。雨で濡れた路面に減って4部山のMXタイヤ、55馬力のCREという条件でスロットルを開けると簡単にドリフト状態にはいってしまう。でもまぁ、これが楽しいんですけど。でがけにフロントサスのセッティングを圧側ダンパ-5クリックに弱めた。これが結構よかったようで以前のようにフロント周りが跳ね回って落ち着かないということがなくなった。エアスクリューを1/8回転ほど閉めてちょっと濃い方向にキャブを振ったので低速でのぎくしゃく感が減ったのも乗りやすいと感じたのかも。
東海自然歩道の林道を抜けて、いつものウッズの道へはいる。路面はそれほどひどく濡れてはいないが所々水たまりがある。できる限り掘らないように進む。上りの部分ではちょっとわだちが深くなったかな、という印象。それよりも周りの木や草が生い茂って全然先がみえないし、腕やヘルメットにバシバシと当たる。バイクのトレースは少ないけれどMTBのタイヤ痕が結構あるので、注意しながら進む。1ヶ月ぶりに乗るCREなのでウッズの中ではコントロールが難しい。フルパワーをかけるとどこに行くかわからない感じ。程なく終了。
ウッズの道を抜けてから今度は尾張パークウェイの脇からはいる林道に行く。ここの入り口にもMTBの人がいて準備していた。ささっと林道を走って休憩。ここはフラットで適度にツイスティ−なのでCREだと楽しい。休憩しているとウェストバッグにつけていたてくてくエンジェルがなった。見ると"ようこからのてがみ"なるものが届いている。「旅に出ます。探さないでください。9日間楽しかったです。」ううっ、悲しい。買ってすぐに小栗さんの店で落としてしまい、ほとんどかまってやらなかったのですねてしまったらしい。即座にリセットして新しく育て直しだ。
来た道を戻って先ほどのウッズの道の入り口に。反対側から渡来してみるが今日もやっぱり入り口の直角段差が一発で上がれない。ちょっともがいてみるが、削ってしまいそうなのでやめた。舗装路を戻って途中の店でジュースを買って休憩。やたらと汗をかいていたので、上着を脱いでMXジャージ一枚になった。気温は30度を越えたかどうかくらいだけと、山のなかでもがいたのと、久し振りのCREで興奮したのとで大汗をかいてしまった。
小休止の後、こんどは東海自然歩道と平行して走るわだちの深い道へ入る。入るとすぐに壊れたナンバープレートのないジムニーが捨ててある。1ヶ月程前にはこんなのなかったなぁ、と思ってルートを進む。ずいぶんとわだちが深くなっている。しかも最近ジムニーで走った後がある。ジムニーは捨ててあったのではなく置いてあったのだ。中央道と平行するあたりにあるコンクリートの段差はかなり深くなっていて乗ったままでは越えられそうにない。60cmくらいのコンクリートの壁をバイクから降りて勢いをつけて押し上げる。トライアルテクニックがあったら一気に越えられるのかもしれないなと思いながら、押すのであった。押し上げれば難なく越えられ、そのまま東海自然歩道の途中に合流して林道を抜ける。
林道を抜けたところで走行距離は58Km、時間はまだ11時だった。ここで帰ろうかとも思ったけれど、まだちょっと早いし、走り足りない。猿投方面に向かうことにする。国道248を瀬戸方面に走り、品野から山路のMXコースの方に向かう。途中岩谷堂から雲興寺へ抜ける東海自然歩道に入ってみようと思ったが、岩谷堂が大変な人で入れなかった。このあたりでまた雨に遭う。岩谷堂から戻って西山路のMXコースに向かう。このコースの奥に細いウッズの道があると小栗さんに聞いたので、これをチェックする予定。
西山路のMXコースにはだれもいなかった。コースを一周してみると最近バイクは走っている様子がない。MTBのわだちがかすかにある程度でバイクのトレースはほとんどない。コースも脇の工場が進出してきていて風前の灯かというかんじ。小栗さんの話ではこの先もダンプが入っているということだったので、いよいよ万博関連の工事が始まったのかな。MXコースからいつものウッズ練習コースへと向かう。きょうはウッズ練習コースには入らず、三叉路を左に降りていく。2kmくらい走ったところで広場に出た。どうも粘土採掘場のようだ。きょうは休みだからかダンプはいない。広場から戻って一本目のわき道を左に入る。小栗さんの話ではしばらく簡単な道がつついた後つづらおれの上りになるという。
入ってしばらくは沢沿いの道だ。ときどき沢の中を走る。この辺は土質が砂地なのでパワーを掛けると簡単にほれてしまう。まだ最近バイクが通ったらしいわだちがある。1kmくらい行くと沢の中から広場に上がる段差がある。真ん中のラインは非常に深くほれてしまっていてCREでも亀になりそうだ。左のラインはわだちはまだ浅いがとても柔らかそう。中央のラインのさらに右をねらってトライするがあえなく失敗、しかもリアタイヤが中央のラインの深みにはまってしまう。バイクはさお立ちのままで止まった。非常に不安定な体制の中でエンジンを掛けて押し上げようとするが、上手く上がらないCREが完全に亀状態になっている。仕方なく少し下に落としてリアタイヤが地面に着くようにして一気に押し上げる。瞬間的にパワーをかけるとCREはロケットになって段差の上に上がって倒れた。人間は追いつかなかった。
段差の先からは一転して樹林の中のウッズになる。小栗さんの言っていたつづらおれらしい所に来た。ここもわだちがかなり深く2箇所ほどスタックする。事前にラインがわかっていればスタックせずに行けそうなところではあるが、先がわからないため慎重になるとスタックしてしまう。ただ、傾斜がそれほどきつくないので、スタックしても上手くやればその場からすぐに再スタートできる。つづらおれを上がると少し傾斜が緩くなり、ウッズの中をすすむ。難易度はそれ程でもないが立ち木を縫いながら走る中に所々岩があるのでスピードは上がらない。小回りの利かないCREではステアリングがロックtoロックで切り返さないと通れないところが何カ所もある。こういうところでもホ−キンスならウィリーして抜けていくのだろうか。
800mくらい進んだところで右手に降りる道、左手はさらに上りの三叉路にでた。右手の降りる道はたぶん小栗さんが言っていた元の道に戻るルートだろうと予測して、左手を上がってみることにする。左に入るとすぐに丸い岩のステアケースがあった。一回目は予測していなかったので失敗。2回目は助走をとったので上がれた。ここからもまたしばらくウッズの中を上がっていく。途中から尾根上のみちになり、傾斜も増してくる。一度木の根に引っかかるもさしたる問題もなく沢のところに出る。途中右手の林の中にバイクのわだちのようなものを見つけた。結構傾斜がある。ハイキングの人にも会った。あいさつをして道を譲ってもらった。
傾斜がたんだんきつくなり、木の根などが多くなった。ずっと上りならいいのだが、小さな上り下りを続けている。きょうはひとりなので戻れなくなる前に見切りをつけて撤退しなければと思う。そうするうちに大きな岩のあるさわの所に出た。ここでまたハイキングのおじいさんに会う。ちょっといやみを言われる。この先はぐっと傾斜がきつそう。しかもバイクのわだちもだいぶ苦戦して掘った蹟が何カ所も見られる。沢で顔を洗って休憩しているとMTBの人が降りてきた。しかも自転車を押している。この先はどうなっているかと聞くと、しばらく上ってから頂上付近で三つ又になるとのこと。三つ又を左に行くと急な下りで雲興寺の方に、右に行くと海上の森に行く林道にでるらしい。ただかなり険しく、兄ちゃんいわくトライアルの人じゃないとムリでしょう、ということだった。路面も濡れているしひとりなので無理しないでここで引き返すことにした。このあたりが猿投闇ラリーで使ったルートなのだろうか。
来た道を戻ると先ほどの3差路へ。今度はここを左にとって来た道と違う方に降りてみる。このルートはちょっと道幅が広く先が見通せる。ただ、わだちがずっと付いていて走りにくい。500mくらい降りたところでMXコースから来る道に合流した。途中何本か枝道があったので、時間があれば探検してみたいとおもったが、次回の宿題にしよう。何人かで来ないと危なくって探検できない。枝道を何本か探検するがどれもひとりではあまり深入りできそうにないので、きょうは終了。
途中でジュースを買って飲んだ後248で多治見に向かう。帰り道でちょっとハプニング。市の蔵の交差点で右折使用していた外車を左からパスしようとしてたところ急にウインカ−も出さずに左折しやがった。スピードはでていなかったもののよけきれずに車の側面に当たる。でもなぜか冷静に減速しながらステアリングを切って車に沿うように走った。右足のひざとブーツで車のドアを押すようにしていたので音もなし。
外車は交差点を曲がり切ったところで止まった。一瞬の沈黙の後、運転席からおやじが出てきた。何も言わない。見るからにまっとうな職業の人にはみえず、ちょっとまずいな、思った。しかも目の前が交差点で、警官がこっちを見ていた。「ウインカ−も出さずにいきなり曲がるなよー」というがおやじは車のドアをみている。「ぶつかってネーよ」というとおやじは「まあいいわ」といって車に乗って行ってしまった。大丈夫かの一言もなし。むかむか来たけど、変なやつに絡むとめんどうなことになるのでやめた。この間警官はただぼっと立っていた。乗っているバイクが普通のバイクじゃないし、任意保険にも入っていないので、お巡りさんとかかわりあいになりたくなかったので本当に良かったと思う。車はきっと多少の擦り傷は付いていると思うよ。ブーツのバックルでこすったから。
このあとも順調に帰って、本日の走行距離は103km。蒸し暑かったのでちょっと疲れたし、最後にハプニングはあったけど、まぁ楽しかったかなと思います。少しずつではあるが、CREのセッティングがでてきているので良しとします。